また介護の話題になりますが、このところ一気に数冊の「平穏死」についての本を読みました。少しでも確かな知識を得たいと思ったからです。
母がほとんど食事らしいものを口にしなくなってから、もう3か月以上たちます。最初はこんな程度の食事しかとれなかったら、もう一か月も持たないと思いました。確かにどんどん口に出来なくなり、今ではお医者さんから頂く栄養ドリンク200cc一袋ちょっと、そして温泉卵3個ほどになりました。少しは食べていたバナナやヨーグルトもいらないと言います。一か月に1kgほどのペースで減り、体重は34Kgを切り始めています。
飲み込むときは、いつもどのタイミングで飲み込もうかと考えている感じです。
数回飲むと、あー、とため息をついたりします。
明らかに嚥下能力がかなり低下しています。
むせることも多くなってきました。
誤嚥だけが心配です。
こんな状況です。
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でも、不思議と元気なんです。
勿論、一人で歩くことも出来なく、座ったきり動こうともしなくなりましたが、表情は明るく穏やかで、私達、家族全員が母のお蔭で穏やかに過ごしているというか、そんな感じまであります。
母をいかに穏やかに逝かせてあげられるか
それが、今の家族の仕事
今の私の仕事
そう思っています。
その為には無理に食べさせない。
このこともできるようになり始めました。
ほんの3年前、父が誤嚥して肺炎で入院した頃と、嬉しいことに世の中は変わり始めました。多くの先駆者と言われる存在のお医者さんたちが本をどんどん出して下さり始めています。
近藤誠さん、久坂部羊さん、石飛幸三さん、中村仁一さん、萬田緑平さんという先生方です。
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父の入院先の病院で胃ろうを薦められ、それを断った時のお医者さんの反応は今でも忘れることができません。すみません、連れて帰って、また熱が出てしまったら、お願い致します。という私の言葉に、その医者は、「胃ろうを薦めるのに、それをせず、また誤嚥とかで熱が出てお願いしますっていうのは、虫がいいんじゃありませんか?」というお答えでした。「ええっ?、これがお医者さんなの?・・・」と、本当にびっくりしてしまいました。
まるで悪いことをしたかのように、大きなプレッシャーを重く重く感じながら、父を連れて逃げるように病院を退院したのを思い出します。
運よく、父は、まだまだその後も食べることができ、それから一年半も生き、その間には一緒に箱根までドライブにも行けた良い思い出も出来ました。
家に帰って、アイスクリームをあげたら、「おいしい~!」と言った父のめちゃくちゃ崩れた嬉しそうな顔が今でも鮮明です。
まるで、胃ろうをしないで退院して、死んだら、あなたが殺すんですよ!と言わんばかりの態度の先生達にとてもつらかったのを思い出します。
何度、病院の前で泣いたことか・・・
胃ろうはしない、そう決めてはいても、最後の点滴についてはまだ知識がありませんでした。2度目の誤嚥性肺炎で高熱が出た時は、救急車を呼ぶか、そのまま家で見るか迷いましたが、その頃の訪問医の先生から、ご家庭では無理です。という指示で救急車を呼ぶことに。その時は何もわからず、救急車がさも助けてくれる、病院が助けてくれると、普通に思っていました。
老衰が進んでいるし、今はもう胃ろうは時代遅れで、もうお勧めしません。最低の末梢点滴が一番いい方法だと思います。横浜市民病院でそういう指示を受けました。病院ではそれが最小の治療だったと思います。それ以外になかったと思います。
しかし、あの時に今の様な認識が私にあったなら、父は家に連れて帰ったのに・・・と思います。あの時は仕方のないことだったのですが・・・
でも、色々ありましたよ。
末梢点滴で看取るまで、とお願いした病院で、もう少しで中心動脈栄養チューブを繋がれそうになったり、亡くなる日に、歯を抜かれそうになったり・・・家族がしっかりした判断をして親を守らねば、まだまだ色々な事が起こる可能性は大きいです。私は、父が亡くなった日まで、大きな声で叫んでました。口の中から出血してるから歯を抜くなんて・・・信じられない!今の父の状況が何でわからないのですか? 「歯を抜かないでください。絶対だめです!」と、看護師ステーションで大声で叫んだのも思い出します。
その夜、父は亡くなりました。
最後2か月の点滴、いらなかったなぁ。今ではそう思います。
苦しそうな顔しか覚えていません。
最後の顔は穏やかでしたが、
亡くなった時の父の胸は内出血で真っ赤になっていました。
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色々かきましたが、言いたいのはぜひ、色々な本を読んでほしいです。
まだ介護をしていない方、まだまだ先のことと思う方。
親を今後どうしようと思っている方、とにかく、今すぐ読んで欲しいと思います。
いえいえ、わが身はどうしますか?
私も親を我が家で介護するなんて思ってもいませんでした。色々な施設を見学しに行き、自分の心に従ったら、こうなりました。勿論、ぱぱさんに大きな感謝の気持ちをもっています。彼の同意なしではできなことですから。。。
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最近、平穏死についての本がたくさん出ています。
昨日読んだ
・穏やかな死に医療はいらない (朝日新書) 萬田緑平著
・「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか (講談社文庫) 石飛 幸三
・日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (幻冬舎新書) 久坂部 羊
他にも読んだけど、ひとまず、この3冊おすすめです。
一番読みやすくて良かったのは、一番上の萬田緑平先生の本です。
これは超お勧めです。
では
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